第53話 『マンションコミュニティ』.........誰もが家を買うようになれば
2001年にサービス提供を開始したマンション購入応援サイトである『マンションコミュニティ(当時eマンション)』のケースでは、「もし住宅購入がもっと身近になったら......。」という予想から企画をスタートさせました。
開発を始めたのは1999年でして、まだ「夢のマイホーム」という言葉通り、普通のサラリーマンが簡単にマンションを購入するという感じでは無く、対象が高所得者もしくは貯蓄が多い人に限られていたと思います。
ですが、政府が住宅ローン控除制度を作ったり、住宅ローンの金利が下がったり、日本版サブプライムローンとも言われる旧住宅金融公庫のゆとりローンが始まったり、マンションの供給が増えたりしたことで、価格も下がり首都圏、関西合わせて年間10万戸以上のマンションが供給されるようになりました。
マンションを購入する人が増えて情報を求めるようになればインターネットで情報を収集する時代が来るだろうという近未来予測から、マンション購入に関する情報を交換できる掲示板サイトを立ち上げたわけです。
この時の【アイデアの種】は【住宅購入】+【掲示板】という極めてシンプルなものです。恐らく誰もが住宅購入は初めてですから、【不安】【心配】【損したくない】【後悔したくない】といった【感情の羽】を【住宅購入】に生やしていたためネット検索で情報を調べるだけでなく、自らも情報交換を始められたのだと思います。
当時、同様のサイトはほとんど見あたりませんでしたので、少しずつ利用者が増えて行き、2008年では戸建てサイトも合わせて月間80万人近くの人が利用するまでになっています。住宅購入者の数を超えているということは、今現在の購入検討者だけでなく将来の購入を考えている人や既に購入した人、そして多くの業界関係者が利用しているためです。
このケースを見ても「もし住宅購入がもっと身近になったら......。」と「もし住宅購入の情報をインターネットで交換するようになったら......。」という将来予測があったからこそ産まれたサービスなわけです。
次回は、意図的に閃きを起こすための、その他の発想法ををご紹介したいと思います。
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://hirameku.com/mt/mt-tb.cgi/643