第52話 『ミクル掲示板』......もし荒らせない仕組みがあれば
もし○○が......といったお題で実際に僕自身が行った発想について具体例を紹介します。
僕の会社で提供しています『ミクル掲示板』は「もし掲示板を荒らせない仕組みがあれば......。」というお題から始まりました。
全ての投稿者が特定できれば、悪質な利用者がいた場合に、その利用者からの投稿を出来ないようにする仕組みが可能になるはずと考えました。
最初は、利用者には、免許証など公的証明を一度FAXしてもらおうといった検討をしましたが、あまり現実的ではありません。色々と調べていくうちに、au携帯にはサブスクライバーIDという端末に固有のIDがあることが分かりました。個人情報が分かるわけではありませんが、投稿時にそのIDを取得しておけば、例えば07021240607942_mf.ezweb.ne.jpのようなIDによって、確実にどの利用者からの投稿であるかが特定できます。もし仮に問題がある利用者であれば、そのIDからの投稿を受け付けなければ良いわけです。なぜなら、利用者はそのIDを簡単に変更することができないためです。
ですが、問題もありました。サービスを検討した2005年にはこのIDを簡単に取得できるのはauだけで、ドコモもSOFTBANKもすんなりは取得できなかったのです。
そこで、もう一度「もし他社キャリアが端末IDを提供するようになれば......。」と考えてみたわけです。恐らく数年以内には対応する端末も増えてくるだろうと予測しまして、どんなキャリアでも利用できる1ユーザー1IDしか取れない匿名掲示板サービスの提供を考えたというわけです。
掲示板を荒らすことを楽しむ利用者がいることも事実ですが、ミクル掲示板は、安心感を売りにしてサービス開始後2年で月間150万人以上が利用する掲示板サービスに育てることができました。
前回、ご紹介したような、auやドコモとGoogleが提携するのではということも元々イメージを持っていましたが、タイミングとしては抜群であったためにここまで成長できたのも事実です。
現在は主婦層を中心に70%以上が女性という、狙い通りのサービスをこうやって閃かせたのでした。
次回も、僕自身が行った発想から、具体例をご紹介します。
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