第51話 『ドコモやauとGoogleの提携』......近い過去で検証
前回はSF小説のような極端な例で説明を致しましたが、数年前までは「もし携帯電話を世界中の人が持つようになれば......。」といったことすらイメージしていなかったかもしれません。
今度は逆に近い過去の事例を見てみたいと思います。
「もし高速インターネットが何処にいても使えるようになれば......。」といったことも、既に2,3年先でしか無い未来のことですが、分かっていても意外に未来の状況をイメージすることは難しいものです。
インターネットや携帯電話の普及もあり、テレビを観る時間は低下する一方だと思っていたら、ワンセグの登場で状況は変わりました。これは非常に多くの人が、テレビを観ることが可能な携帯端末を持つということを仮定した時に考えられるサービスです。今では新しく発売される携帯電話のほとんどにワンセグが搭載されるまでになりました。そこには新しい広告ビジネスモデルやネットサービスモデルも産まれてくることになりますが、そういった状況を少し前に予測していれば、大きなビジネスチャンスがあったはずです。
例えば、携帯電話インターネットでもGoogleのような検索エンジンを使いこなすようになるとすれば、これまで公式サイトばかりの限られた世界であった携帯インターネットの世界が解放され、多くの人が非公式サイトにさえもアクセスするようになるわけです。では、そういった状況が一般的になったときに求められるサービスには、どんなものがあるだろうと発想すれば良いわけです。
2007年12月25日にNTTドコモがGoogleと提携したというニュースが日経新聞の一面を飾りました。先の例で言えば、ドコモ携帯が公式サイトだけの閉じた世界から解放されればどのような状況が待っているかを仮定して、新しいサービスを発想するということも大切な視点なのです。
何かが変化する時には、「後から思えば当たり前だけれど意外と誰もが気がついておらず、実はまだ世の中には誕生していないアイデアが有った」ということは、新しいアイデアを見て初めて気づかされるものなのです。
次回は、こういった手法の考え方について、実際に僕自身が行った発想をご紹介します。
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