第66話 アイデアの花を捨てる
前回、アイデアの花を捨ててしまうこともあるとお話ししましたが、何故そんなに勿体ないことをするのかという点について簡単に説明を致します。
そもそも捨てるアイデアの花というのは、閃いた瞬間には良いと感じたはずですが、それについていくら考えてもどれだけ議論しても一向に美味しい実がならないと判断できるアイデアを指しています。残酷かもしれませんが、そのようなアイデアの花は、実にはなっても美味しい立派な実になる確率は小さいとお考え下さい。
また、アイデアの実は、その実を手にする誰かにとっては美味しいものかもしれなかったとしても、あなたにとっても美味しいものであるとは限らないのです。例えば、成功に必要な決定的な前提条件が掛けていたり、あなたの情熱を長い期間注げるだけの内容でなかったりもするのです。
特にビジネスにおけるアイデアの場合ですと、様々な要因が絡み合いますので、成功するか成功しないのかが随分と長い時間を掛けてからしか分かりません。何かアイデアを閃いてその瞬間に大成功するようなものは有りませんよね?
アイデアの花が咲いたとしても、実現して、それが成功するかは試してみないと分からないわけですが、そういった試みが残念ながら何度も何度もできるわけではありません。
アイデアの花を少しだけしか咲かせていない段階で、実の収穫を急いでそれを実現したのでは、事業の成功の確率も小さいままであると言えます。世の中には経験や動物的な嗅覚を持ち一つだけの閃きでも成功させる人もいるかと思いますが、事業に失敗している人が多いことからも分かるようにそんなには甘くないのでしょう。
多くの時間と情熱を割いて行う新しい事業なのであれば、誰もが成功させたいと思うはずです。だとすれば、できるだけ多くの花を咲かせ、良い実が付くものがどのアイデアかを見極めることも大切です。その実の中で優先順位を決め、最も成功の確率の高いものから事業化していくことによって、あなたの成功の確率が高くなることは言うまでもありません。
アイデアの花をたくさん咲かせた上で成長が悪い花をどんどん捨てていけるくらいのアイデア力を是非とも身につけて頂きたく思います。
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