第26話 『Wii v.s. PS3』...任天堂とSONYが用いたアイデアの種
前回も習慣の違いにもアイデアが含まれるということを紹介しましたが、例えば仕事の後、職場仲間との時間よりも家族と過ごす時間を大切にするといった、アメリカでは当たり前の考え方が、日本でも一般的な時代が訪れると思えたとしましょう。景気も悪くなりますし、外で過ごす時間より家で過ごす時間も増えると考えてみます。
そうしますと、これから居酒屋を始めるのではなく、家庭で家族と共に有効に過ごせる何かを提供するビジネスを掘り下げて考えてみようといったベースのアイデアの種【家族と過ごす時間】が産まれるわけです。
例えば、これまでのように個人が楽しむゲーム機ではなく、家族で楽しむことも踏まえたゲーム機を開発しようといった発想が生まれることでしょう。任天堂が発売した『wii』はこういった典型的な時代の変化のタイミングにマッチした製品であると考えることができるわけです。
PS2で大成功を収めたSONYは【ゲーム機】に【高画質】【映像美】【高速処理】【ゲームマニア】【インターネット】【ブルーレイ】【高級】【前機種と同じ入力装置】といった【アイデアの種】を組み合わせてPS3を世に送り出しましたが、ブルーレイ戦争で東芝に勝利した割には規模拡大に苦戦しています。
同じ時期に次世代ゲーム機を投入した任天堂は、【ゲーム機】に【家族と過ごす時間】【リビング】【簡単な入力装置】【身体を動かす】【健康】【ダイエット】【低価格】といった、SONYとは全く別の【アイデアの種】を組み合わせて【アイデアの花】が誕生したと考えられます。
実際には日本だけでなく世界中で大ヒットする【ゲーム機】になっていますので、技術的な進化からもたらされるアイデアの種ではなく生活スタイルの変化からもたらされるアイデアの種を用いた点において商品開発のアイデアの出し方が素晴らしかったのでしょう。
今のところ21世紀で最も素晴らしいアイデアの発想だと思っていますので紹介させて頂きました。
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