第28話 『大喜利』......[A]と掛けまして[B]と説きます
前回、実践編に移りましょうと申し上げましたが、少しだけ横道にそれて、アイデアを思いつく時のイメージをしてもらうためのお話です。
さてさて、唐突ですが「大喜利」ってご存じでしょうか?
読めない方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。これは「おおぎり」と読みまして、落語家さんが出されたお題[A]に対して次のように返します。
「[A]と掛けまして[B]と説きます。」「そのこころは......」「[C]です。」
例えばですが、こういった問答のことを大喜利と言います。大喜利で大切なのは、最初の[A]と二つ目の解く鍵となる[B]に一見全く関係が無さそうな言葉が登場する点でして、「そのこころ」で「あ~、なるほど」と聞き手に思わせる巧妙さをいかに表現するかにかかっているのです。大抵の場合は、言葉遊びとして[B]の同音異義語を用いて、聞き手を、一瞬ですが勘違いをさせ、ある意味期待を裏切る形にしてオチを付けるわけです。
例えば、「猿山の猿と掛けて、コーヒーと解く。そのこころは ボスがいい。」「美人の奥さんと掛けて、夏の終わりと解く。そのこころは 秋(飽き)が来るでしょう。」「ラーメンと掛けて、待ち合わせ直前の会議と解く。そのこころは のびるとまずい。」といったようなものですね。一見、[A]と[B]には何の関連もなさそうですが、[C]でオチを付けることで、二つが結びつくわけです。
何故こういった大喜利の話を持ち出したかと言いますとこういった「お題」「裏切り」「勘違い」「オチ」の関係とアイデアの「種」「茎」「花」の関係がとても似ているのです。
※次回は、この「オチ」について、少し深掘りして見ていきましょう。
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