第32話 おでん作りが脳を鍛える
さて次には味付けと味見が待っています。お醤油と砂糖、みりん、お酒を入れて味を調えるわけですが、この時の分量も慣れてくれば、あなたの頭の中にあるデータベースとマッチング作業を行っているのでは無いでしょうか? 材料がこの分量なら醤油はこれくらいといったようにです。そして、味見をする時にも、口に含んだ時に頭の中のおいしいおでんの味とのマッチング作業を行っているはずです。「ん? ちょっとお醤油が足りないかな? ん?、でももう少し煮詰まって味が濃くなったらちょうどいいかも。」なんて少し先の変化のイメージまでをも組み立てていることと思います。多く入れてしまった後の味の修正は難しいので少な目に入れて味を調えていくはずですよね? この際に後、どの程度の分量を入れるとどれ位の味の変化があるかをイメージできることを何度も料理を作ることによって習得していっていることでしょう。
おでんなんかは特に難しくて、だいこんなどには火を止めた後に味が染み込んで行きますので、単純に炊き続けるわけではなくちょうど良いタイミングで火を止めてあげるという作業までイメージしなくてはなりません。
そして、美味しく仕上がったらあなたの頭の中では美味しいなと思いながら食べている自分や作ってあげた人の顔や感情をイメージするものでは無いでしょうか? 「うわ?、今日は美味しくできたから褒めてもらえるかな。」なんて感じです。
こうやって見ていきますと普段何気なく行っている料理という作業はとってもとっても前頭前野を使っているものとご理解頂けるかと思います。
料理が得意な人というのは残っている食材からどういった調理法でどういった味付けでどういう美味しい料理を作るのが最善なのか、までをイメージし、オリジナルの創作料理を作ることができてしまいます。更には食べる人に合わせて調理することまで行えるわけですが、これはずば抜けたイメージ力なのだと思います。個人的には「卵」や「なす」を上手に調理できる人はすごいですね。
その一方で料理本を見ながらその分量通り量って食材を調理するのは理科の実験であって、前頭前野の鍛錬には残念ながらなりません。「レンジでチン」だけのものなんて言語道断です。大切な人のためだと思っていた料理も、実はあなたの脳を毎日毎日鍛えてくれていますので、自分のためになっていると思いながら様々な料理にチャレンジしてもらえればと思います。普段料理をしなかった男性であれば、自分の出世や将来にも大きく影響することを実感して頂きたく思います。ある雑誌で、社長をやられている方の90%以上が料理が得意であるといった特集があったくらいです。
※次回は、楽器演奏の前頭前野への影響についてご説明します。
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