第10話 将来を見越してサービスを開始する
僕が初めてインターネットサービスの提供を始めたのは1997年6月のことでした。
当時、NTTの社員だった僕は、近いうちにNTTが安価な常時接続サービスを開始することを知りました。専用回線は安くても数十万円の月額費用が必要でしたが帯域を保証しない代わりに39000円という画期的な料金でのインターネット回線の提供が1997年に始まったのです。
確か1997年1月頃にそのサービスの内容を聞き、"これなら自分でもCSP(コンテンツサービスプロバイダー)になれる"と考えたわけです。
自分が【アイデアの花】として蓄えていたサービスアイデアの中から【無料メーリングリストサービス】の提供を始めようと同年2月に動き出しました。
この動きは、閃いていた【アイデア】の【タイミング】がちょうど訪れると判断したからに他なりません。
【無料メーリングリスト】を分解しますと【無料】【メール】【共有】【友達】【一斉同報】【文字】【コミュニケーション】【コミュニティ】などになります。
大学の卒業論文においてインターネット上でこれから起きる新しいコミュニケーションについてまとめていた僕は、インターネットの発展と共にメールによる活発なコミュニケーションが始まると確信していました。
1997年ではまだパソコンを持っている人も少なく、会社でのパソコン利用率も低く、また、インターネットを利用している人も少なかったのですが、1999年には一般化すると考えていました。つまり、1997年がまさにサービスを開始するタイミングとしてベストだと考えていたわけです。
実際に1999年末には利用者が35万人。2000年10月には80万人が利用する巨大サービスに成長しました。
では、タイミングの見極めにはどういった要素を見るべきだったのでしょうか?
※次回は、どのような要素を検証したかをご紹介致します。
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