第13話 YouTubeの成功
近年始まったサービスでタイミングが非常に素晴らしいと感じたのが、皆さんもご存じかと思いますが動画共有サイトの『YouTube』です。2005年にスタートしたばかりのサービスが2006年には既に世界的にも有名になるほどのブレイクをしました。
YouTubeの例では、
動画を再生できるブロードバンド環境
動画をストレージできる安価な大容量ストレージサーバー
視聴する側の端末
動画を撮影できるビデオや携帯電話などの入力デバイスの進化と低価格化
動画の圧縮技術の進化と統一化
著作権問題
収益を上げなくても運営を続けられる資金力
利用する側のリテラシー
など様々な要因をクリアできるタイミングでなければ成功しなかったでしょう。
先に紹介した【インフラの能力】【端末の処理能力】【ソフトウェアの性能】【収益化の仕組み】【ユーザーのリテラシー】の中で【収益化の仕組み】を除いては抜群のタイミングだったと思います。
2005年11月にベンチャーキャピタルから350万ドルもの投資を得ることができたため【収益化】を一切考える必要が無かったことも成功の要因でしょう。この時期はアメリカにおいて第二期のITバブル期だったと言えるタイミングでした。
動画共有サイトを運営する上で最大の問題は運営コストと著作権だと思います。不特定大多数が一斉に動画を閲覧するためには膨大な回線とサーバーが必要なためコストが莫大なものになります。また、違法もしくはアダルトなどコンテンツをチェックするのにも多大な労力が掛かります。前者は資金調達のお陰でクリアし、後者に関しては削除要請があれば削除するという姿勢を取りました。法律上はグレイな点もあり、多くの訴訟を抱える結果となりましたが、そういった法廷における対立もYouTubeを有名にする要因となったと思います。これは日本における2ちゃんねるの事例と似ていますね。
※次回は、僕自身の経験を例に、【タイミング】についてお話したいと思います。
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