第20話 SPAM業者の排除

固有IDによるユーザー認証は掲示板へ広告を大量配信する業者の排除にも有効に働きました。

SPAM（スパム）と呼ばれるメールや掲示板などへの広告の大量配信は、サイト運営者の管理コストをとんでもなく大きなものにしました。運営者は一件ずつ目で確認した上で投稿を削除する必要があるのですが、世界中に存在するSPAM業者は、広告投稿プログラムを使って機械的に、かつ大量に投稿を続けます。SPAMは管理コストの問題だけでなく、管理する人の意欲をそぐことにもつながりました。その管理に耐えかねた多くの掲示板サイトが閉鎖に追い込まれることにもなったのです。

表から見るだけでは何ら変化の無いユーザー管理方法の発展によって利用者は安心して掲示板を使えるようになったと思いますし、運営者側から見ますと、これらの不良ユーザーに掛けなければならなかった管理コストを抑えることができるようになりました。

少しだけ補足しますと、ミクル掲示板立ち上げ時にはこの固有IDの取得が可能だったのはau携帯だけでしたが、その後、ドコモもソフトバンクも同様に取得できるようになっていきました。

一般利用者からしますと見た目も全く変化が無いのですが、サイト運営者にとっては非常に大きな変化なのです。どの業界においても技術の進化はあるものですが、そういった情報をいち早く入手したり、変化の兆しをキャッチすることは、アイデアを生み出したり、アイデアの花を実にする上でとても重要な要素になります。

※次回は、また別のタイミングの一つであった「広告配信サービス」についてお話します。