福井:ぼくらがやっているビジネスは、まさに普通の人たちが目に見えなくても、何を求めているかを見極めないといけない。だから、もともとあったものではなくて、ないものを見つけださないといけないので、それが非常にむずかしいですね。
秋山:じゃあぼくからの質問です。この「ヒラメク」を出版したいという理由を再度確認したいです。
福井:もともとアイデアに関する文章を書き出したのが、自分自身でも「どうやったらアイデアって出るんだろう」という探求から始まっていて、ようやくこういったものがあるんじゃないかということに気づきました。それがまだ1年ちょっと前のことですけど、それまではなんとなく閃いていた。これがある程度コントロールできるようになって来まして。
じゃあそこになにか法則が隠れているはず。そこを探求していくと、さっき先生がおっしゃったように、たとえばぼくで言うと、アイデアの種、集めていくものを一人で集めていくのは無理だという結論に達したんです。
そうすると、自分と違う考えを持っている人たちと一緒に集めないといけないという結論にも達したんです。そういうアイデアを持っている人たちって、たくさんいるはずなんです。誰でも必要なはずですし。そういう人たちが、これまでぼくたちがやっていたコミュニティという土壌で、庭に遊びに来てもらって、そのアイデアの種をまいていって欲しい。でも、庭を用意するだけでは誰もこないだろうと。
そこで、アイデアの種の収集の仕方や、それをどうやって育てるかというものまで、全部無料でお教えします。そしてその庭がどんどん育っていくんじゃないか、というところまでを頭の中でイメージできたので、これはやってみる価値があるのかなぁと思ったんです。
秋山:ぼく、これをはじめに見たとき、どうなるか少し不安だったんです。でも、読んでいくうちに、多くのことが書かれていると分かった。これがさっき話した「出なくなるほど集めよう」ということと繋がったんです。無駄に見える集め方でもすごく大事だと思うんですよね。その中に本質が隠れているということはなんとなく分かる。
それからもうひとつ、アイデアとは何かを考えたとき、理念、原理、といったものだと思ったんですよね。これをどんどん育てていくと、福井さんの考えている思想が浮かび上がってくる。確実に福井アイデアというものが生まれてくるという風にぼくは考えているんです。
気楽な気持ちで対談しようとしているのではなくて、そうすることでぼくも何かを得たいんです。何度も何度も再確認しないと何も得られないですから。文字に残そうと提案したのもそういう理由です。文字は消えないですから。魅力的な発見ですよね。脳は衰えていくけど、文字にすることで後のジェネレーションにバトンタッチできる。これをやろうとしていることが、今回の試みのいいところだと思うんです。
福井:ぼくで完結はしないだろうという諦めもあるんですけど。
秋山:いや、ある関所はできると思います。絶対に完結なんてできないでしょうけど、諦めずにやり込むだけでいいと思います。これが最高のアイデアだと思いますよ。
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