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秋山:それから、「アイデアの庭」を造らないといけないですね。これは何かと言うと、フランスの生物学者のファーブル(1823 - 1915)は、アルマス(荒地)と名付けた彼の庭でのみ昆虫を観察していたんです。

昆虫って、荒地にこそいい昆虫が集まるんです。そこでそれを観察する。ぼくはアイデアもそういった枠組みが重要だと思うんです。必ず庭のような枠組みというものがあって、そこにいる昆虫の生態を調べつくしていくというアイデアの出し方が重要だと思う。

ぼくはポスターで知られるようになったから、それがすごく重要で、ぼくの中には必ずポスターという枠組みが存在する。その枠組みに限られているからこそ、ぼくはシルクスクリーンという技法を使っているんです。色を限定した中で、美しさを極めていく。

ぼくの作品は自分が作った色で作るから、一般的にオフセット印刷で使うシアン・マゼンタ・イエロー・ブラック4色の掛け合わせではない。自分だけの色だから他の日本のポスターとは違うんです。人が使っている色なんて嫌じゃないですか。

人って、何でもできるっていうけど、それは間違い。アイデアを出すときも、限定して、限定した中で、絞る。限定という要素を満たして行くからこそ、わずかな当たり前のアイデアが出てくる。当たり前のことでいいんです。

ただ、それが限定されたアイデアだからこそ、最高なものとして評価されるわけです。ぼくたちは、それを忘れたらいけないんです。いい仕事をしたいから、いい人といたい。いい反発とか、深い理解がないと、いいアイデアも出てこないですよね。


福井:ぼくは、見知らぬ人同士がアイデアを出し合える庭を造りたいなって思ってるんです。みんながアイデアの種を集めて、みんなで水やりしていく。いつかできるんじゃないかなあと思ってるんです。


秋山:いずれはアイデア学校をつくったらどうですか?


福井:それもいいと思います。まずはアイデアの種の見つけ方から教えないといけないんですけど。どちらかというと、今までアイデアって、着目はしたいけど、何も科学的なものがないので、学習のしようがなかったのかなとも思いますね。

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