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其の十七:アイデアからプラットフォームへ

秋山:じゃあ、そろそろまとめをしましょうか。

福井:アイデアの話として。僕が最初に言っていた脳がだまされるということ。アイデアを思いつく時に一番だまされやすいのがネーミングっていう魔物なんですね。

秋山:魔物だね。

福井:ネーミングはアイデアのように見えてしまうところが問題で、結局このノンアルコールビールっていうものでいくと、最近警察の取り締まりも厳しくなってきていて、ノンアルコールのものを飲む人が増えました。このノンアルコールビールが流行ったら、いろんな会社が出すわけです。昔はアルコール度数0.004%しか出来なかったのが、今は0.00%が出来て、そこからほかの会社はいろいろ考えるわけです。ノンアルコールのワインを作ったらどうか、ノンアルコールのカクテルを作ったらどうだろうか。ここがアイデアのヒラメキなんです。今は「ノンアルコール日本酒」までもが出てきているわけで。それは米ジュースではないのか(笑)。

じゃあ、これを先ほど言った概念の部分とアイデアの花とに分けた場合、ノンアルコールの概念とビールのアイデアの組み合わせがあります。それが非常に怖いところで、あくまでこれはネーミングとしての組み合わせです。そう考えると出来上がるものはビールしか無い筈なんです。でも、ノンアルコールにビールを掛けたら、ビールじゃないわけですし、ましてカクテルなんかであるわけがない。もちろん「ノンアルコール」梅「酒」がお酒(アルコール成分が入っていないのにお酒)だとおかしいですよね。

ということは、アイデアとして考える場合は、概念を「ビールテイスト」、「チューハイテイスト」にして、その概念に飲料を合わせる。つまり実際はお酒ではなく清涼飲料水です。ここが本当に間違いを犯してしまうというか、恐らくこれがたくさんの人が今まで勘違いを脳の中でしているというか、ビールのように思わせているだけなんですよね。それはビールではない。ここの脳内変換に気付くというのが非常に大事なんです。ノンアルコールは、ネーミングなのか、アイデアなのか、概念なのか、分解して出てくるアイデアの花なのか、この4つの何なのかというのを、突き詰めて考えないと頭の中に正しくインプットされないんです。

秋山:うん、なるほど。

福井:結局、こういうビールじゃないものをビールと錯覚してしまう。まあ、ネーミングは錯覚させるために付けている場合が多いんですけど。特にカタカナで表現されるものって殆どがネーミングです。その文字の羅列には全く意味が無い。恐らくそのアイデアというものを考えたときに、陥っている罠がここにある。そこを僕のサイトだとかブログでもいろんな事例を挙げながら、これは概念なんだよ、アイデアなんだよ、というのを挙げていきたいなあと。その作業をするには、あまりにも膨大な量がありますので、今だからこそ出来るソーシャルという概念を付けて、たくさんの人の力を借りて実現するということをしたいなと思っています。

秋山:研究だね。

福井:そうです、研究です。僕がこれからやろうと思っているのが、出来ることであれば「財団」(2013年1月23日、福井は「ひらめき財団(http://hiramekidan.org/)」を立ち上げる)というものを作って、いろんなアイデアをそこに寄贈して、研究機関、学校なども作りたい。ソーシャルの力を借りて、どんどん概念を集める。ビジネスとしてうまくいっている概念、食べ物でもそうですし、日常生活でもそうなんですけど、そういった概念をどんどん集めてデータベースとして蓄積していく。 昔と違うのが、そのデータベースというのがコンピュータで管理出来るようになったり、インターネットを使って見ず知らずの人の力を借りることが出来るようになったというのが、過去と本当に大きな違いだと思います。誰でもデータベースの活用が出来ますので、ちょうど今そのアイデアというものを爆発させるには、仕組みが揃ったいい時代にきているんじゃないかなと。その考えがプラットフォームになってくれるといいなあと。

秋山:うんうん。

福井:それがこれからやっていこうと考えている仕掛けです。

秋山:落ちが決まりましたね!今回の対談は「アイデアからプラットフォームへ」というタイトルでしょうかね。

福井:「アイデアからプラットフォームへ」いいタイトルですね。ただ、まだ構想の段階で、概念とアイデアというもので表せないものもあるかもしれないし、概念×概念だけで成り立つアイデアは無いなあとか、消去法でいろいろ理論を固めていってるとこなんです。

秋山:分かりました。今日の話のまとめとしては・・・一つ大きいのは福井さんから出てきた概念、アイデアの話が、財団やデータベースというプラットフォームにつながってきた。僕のほうは福井さんの言った問題についてIllustrationの種明かしをしつつ、横道に逸れながらも、アイデアについて、こういうことやああいうことを考えなければいけない、という助言をさせて頂いたといった所でしょうか。

これにて、アイデアに関する2回目の対談は終了させていただきます。

福井:どうも有難うございました。いい誕生日になりました。

(了)


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