• ソーシャルブックマークへ投稿
  • このスレッドをはてなブックマークに追加
  • このスレッドをみんトピに投稿
  • このスレッドをYahoo!ブックマークに追加
  • このスレッドをgoogleブックマークに追加

其の七:天才でもアイデアが出せないワケ

福井:僕の周りにも天才が多いんですが。天才の人がアイデアが湧くのかというと、逆に湧かないケースのほうが多くて、何かの情報を分析するとかビジネスケースについての 分析・応用力には長けて凄いんですが、ゼロからイチというのが、非常にみんな難しいみたいで、それが今回のヒラメキ本を書こうと考えた理由です。どうもおかしい、この人たちのほうがアイデアが出るはずなのにと。

秋山:ほう。

福井:そこで僕の結論というのが、天才の人は複雑な物を脳にインプットできてしまう。その複雑なものをインプットしてしまうと再利用しようとしたときに、脳の中でそれを複雑なまま組み合わせをしてしまうんじゃないかなというのが一つの仮説だったんです。それで今公開している僕のブログの中に書いているんですけど、結局、脳の中でこういうことが行われているんだろうなということが、以前、先生にお話ししましたけれど、これです。マクドナルドが発売したメガマック、これは確か2007年に出た製品で、ちょうど僕が(アイデアの)研究をし始めた頃にヒットしたハンバーガーですけれど、結局このアイデアから、吉野家の企画担当者が「メガ牛丼」を考え付いたんだろうなということは分かるんですけど、世の中で新しいアイデアを考えるときには大抵の場合、この右側の図のような間違いを起こすんじゃないかなと。

メガマックと自分の商品を組み合わせると「メガマック牛丼」っていうそのままになるんですけど、結局、牛丼の上にこのメガマックを組み合わせると。結局、この「メガ」っていう概念を「牛丼」というアイデアから切り離す作業、削ぎ落とす作業、で「メガ」っていう概念だけを自分の商品に落とし込んでいくっていう、この作業をこの「メガマック牛丼」の話だとまだ分かり易いんですけど、普通のビジネスに応用するだとかそういったことに関してはなかなか難しいんじゃないかと。この分解という作業が、普通の人には難しいんだと思うんです。

秋山:僕はそれについても考えています。なぜ天才たちは社会で評価されないのか?認められないのか?それはどういうことかというと。一つは、周りの人たちはもともと理解していない、そういう人たちがいる。そこに理解させるためにプレゼンテーションをしたり、それから階段をちゃんと一段ずつ登るようにそれを説明していくわけです。そのために裏に、理解させるための必要な分析があって、分析を持ってきて、そして答えがこっちに導かれますよという能力を持っている人たちがリーダーになりやすいんです。リーダーたちは天才たちが持っているものを聴いたり、話したりしながらぱっと聴いて盗んで、そこに自分の理論をぽっと載せるんです。そして生まれるものが多いんです。

福井:うんうん。

秋山:殆どは天才たちのものは理解されないんです。天才たちは途中のプロセスを全部消していくんです。「こんなものを言ったってしょうがないんだ、意味がないんだ」と(笑)。それで、スポーツ選手が概ねそうですけれど、ぱっとやって見せながら「どうだ、お前ら、分かるだろ」と。理論だけで組み立てた人が100メートル数秒では走れないですし、バーベルも上げられないし、砲丸投げも出来ないし、野球の剛速球も打てないんです。天才たちはそういうところを、さっとこなしちゃう。スポーツの場合はすっと出しやすいし、芸術も出しやすい。ところが、ビジネスに関してはなかなかお金が絡んでいたり、部署もあるので、なかなかさっとは出来ないんです。それはそういうことを理解できる経営者やトップの人たち、その人たちはこっちが反対派で出て行っても、それを潰す能力を持っている。

福井:あはは。

秋山:天才はその潰す能力を持っていないから、「わかるだろ!馬鹿、こんなつまんないこと、俺は言いたくねえ。しゃべってもしょうがねえ、こんなの一日じゃなくて一週間かかるよ!或いは一年かかる!」って。(笑)ところがロジックだと積みあげていってみんなが理解できるように、階段を作れる人と作れない人がいるんですね。これは数学や、例えば僕が言うのは、会社の複式簿記が出来ている人や、貸借対照表、そういった計算書もちゃんと判っている人がいる。でも天才たちはそんなのバカバカしくて意味のないことになっている。ところがその人たちはそういうシステムを、損益がこうで、収益がこうで、資産がこうでとちゃんと解るわけ。借方と貸方が分かって。そういうルールが分かるんです。このルールをベースにしたうえで、そしてみんなが物事を理解する。ですから、数学的なことは理解できる。僕はたまたま高校生の時に、親父から「おまえはどうせ駄目な男だから、せめて数字でも出来るようになれと。(笑)簿記とそろばんをやれ」と言われて、最初は「やだなぁ」と思いつつ。ぎっちょ(左利き)だから、全部逆で大変で。(笑)

福井:あははは。まさかこうして今イラストをやっている人が簿記をやっている風景があったとは・・・

秋山:そうそうそう。(笑)
だから、4か月間くらいで商業簿記を取って、翌年工業簿記を一応取るわけです。それもほんの僅かな時間で。でもそれがゲームだから、面白くて。急に与えられたゲームみたいな宿題のようなものだから、やってて面白くて、どんどんやっちゃう。面白いんだから。算数を解くように解いていった。普段はそんなものをやらないから、(資格を取ると)みんながびっくりする。びっくりするのが面白くて、楽しくなってますますはまりました。でも途中、こんなもん俺には向いてないと思って。(笑)どういうことかというと、僕の友人でね、3,656,365×100,002.503というような式をぱっと答える奴がいるわけです。「おまえさ、おまえの頭の中どうなってるわけ?」(笑)

福井:それはもうレベルが凄すぎてかなわない。(笑)

秋山:そう、かなわない!こんなのもうぼくはやるのをやめたって決めました。そういうのがいるじゃないですか。

福井:いますね、いっぱい。(笑)

秋山:そいつが、今、一番偉いやつ、大学のトップになっているわけ。ああ、おまえにはぼくはなれない。(笑)

福井:戦えないですよね。

秋山:戦えないですよ。(笑)そういう人たちが会計職など、なんだかいっぱい偉いところに立っているわけじゃないですか。そんな場所では、俺はもう駄目なんだ。もうイチ抜けた。もうやだとなりました。(笑)

福井:なるほど。

秋山:あ、そうだ、今思いついたんで、今日はあなたに僕が作って神様に奉納したお守りをあげましょう?。それをあげなきゃいけないなあと思って。

福井:ああ、この前伺った、先生がデザインされたお守りですか。






秋山:また忘れちゃうんで帰る際に言ってね、忘れないように。(笑)ああ、今日も話をしてスッキリした、帰ろうってなっちゃうから。

福井:あはは。有難うございます。

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://hirameku.com/mt/mt-tb.cgi/681